「シティボーイ」という言葉、ファッション雑誌やSNSでよく目にしますよね?
なんとなくおしゃれで、肩肘張っていないのに洗練されている、そんなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
でも、「シティボーイファッションって、具体的にどんな服を着ればいいの?」「自分にも似合うかな?」と感じている高校生から30代の男性もいるかもしれません。
この記事では、シティボーイファッションのルーツから、具体的な着こなし、そしてなぜこのスタイルが多くの男性に支持されるのかを徹底的に解説します。
これを読めば、あなたも明日から「シティボーイ」への一歩を踏み出せるはずです。
シティボーイファッションのルーツを知る
シティボーイという言葉がファッションにおいて語られるとき、そのルーツとして欠かせないのが、雑誌『POPEYE(ポパイ)』です。
1976年の創刊以来、「Magazine for City Boys」を掲げ、アメリカ西海岸の若者のライフスタイルやファッションを日本に紹介しました。

当時の「シティボーイ」は、単なるおしゃれな若者ではなく、スポーツやアウトドアを楽しみ、本を読み、映画を観る、知的好奇心旺盛で活動的な都会的な若者像を指していました。
ファッションはそのライフスタイルの一部であり、決して着飾るためだけのものではなかったのです。
アイビールックやプレッピースタイルといったアメリカントラッドをベースに、スウェットやスニーカー、Tシャツといったカジュアルなアイテムをミックスするスタイルは、当時の日本の若者に大きな影響を与えました。
時代を経て『POPEYE』自体も様々な変遷を遂げましたが、2012年のリニューアル以降、再び「シティボーイ」というコンセプトにフォーカス。

現代の街並みに溶け込む、知性と遊び心を兼ね備えた、よりリアルで洗練されたスタイルを提案し、改めてシティボーイファッションへの注目が高まりました。
つまり、シティボーイファッションとは、単なる流行りのスタイルではなく、知的で文化的な背景を持ち、快適さと自分らしさを大切にするライフスタイルに根差したファッションです。
これがシティボーイファッションの定義! 5つのキーワード
現代におけるシティボーイファッションを定義するなら、以下の5つのキーワードが挙げられます。
リラックス&コンフォート(Relax & Comfort)
最も重要な要素です。
体にフィットしすぎるタイトな服ではなく、少しゆったりとした、動きやすいシルエットが基本。

ストレスなく一日を過ごせる着心地の良さを追求します。
オーバーサイズのストライプシャツ、スウェット、イージーパンツ、ワイドめのジーンズなどが代表的です。
クリーン&ミニマル(Clean & Minimal)

派手な色柄や過度な装飾は控えめ。
無地やベーシックな色合いを中心に、シンプルで清潔感のある着こなしを心がけます。
アイテム一つ一つも、デザインが削ぎ落とされたミニマルなものを選ぶ傾向があります。
ベーシック&タイムレス(Basic & Timeless)

流行に左右されない定番アイテムを大切にします。
質の良い白Tシャツ、オックスフォードシャツ、チノパン、デニム、紺ブレ、シンプルなスニーカーなど、長く着られる普遍的なアイテムがワードローブの中心となります。
インテリジェンス&カルチャー(Intelligence & Culture)

服だけではなく、その背景にある文化やストーリーに興味を持つ姿勢が表れます。
ただ高価なブランドを着るのではなく、生地の質、縫製、ブランドの哲学などに価値を見出します。
本やアート、音楽などのカルチャーを感じさせる雰囲気が漂います。
エフォートレス&ナチュラル(Effortless & Natural)

「頑張っておしゃれしてます!」というよりは、「なんか自然におしゃれだね」と思わせる、肩の力の抜けた雰囲気が魅力。
着こなしに抜け感があり、気取らないのにどこか洗練されている、そんな「こなれ感」を大切にします。
これらの要素が複合的に組み合わさることで、シティボーイファッション独特の、知的で快適なムードが生まれます。
シティボーイのワードローブに揃えたい定番アイテム
具体的なアイテムを見ていきましょう。
まずはここから揃えたい、シティボーイファッションの定番とも言えるアイテムたちです。
【1】トップス
無地Tシャツ
白、黒、ネイビー、グレーなど、厚手のしっかりした生地のものが◎。
サイズはジャストか、ややゆったりめがおすすめです。

オックスフォードボタンダウンシャツ
シティボーイの最も象徴的なアイテムの一つ。
プレーンな白やブルー、ストライプ柄など。ラフに羽織ったり、スウェットの下に着たりと着回し力抜群です。

スウェットシャツ/パーカー
無地またはカレッジロゴなど控えめなデザインのものが定番。
リバースウィーブのようなしっかりした生地感だと、一枚でも様になります。
ニット
無地でクルーネックやVネック、カーディガンなど。
コットン素材なら春や秋にも活躍します。ハイゲージよりもミドル〜ローゲージの方がリラックス感が出やすいです。

【2】ボトムス
チノパン
ベージュ、ネイビー、オリーブなど。
太すぎず細すぎない、ストレートまたはテーパードシルエットがシティボーイらしいシルエットを作りやすいです。ジャストレングスか、ワンクッション程度の丈感がおすすめです。
ジーンズ
濃いめのインディゴか、ライトブルーのストレートまたはややテーパードシルエット。
ダメージが少なく、クリーンな印象のものが良いでしょう。

カーゴパンツ/ファティーグパンツ
ミリタリー由来の機能的なパンツも、シティボーイファッションでは上品に取り入れられます。
シルエットは太すぎないものを選び、トップスをシンプルにまとめるとバランスが良いです。

スラックス
ウールやコットン素材の、少しゆったりとしたスラックス。
カジュアルなトップスと合わせることで、抜け感のある上品な着こなしになります。

【3】アウター
紺ブレ(ネイビージャケット)
硬すぎないコットンやジャージー素材のものが使いやすいです。
Tシャツやスウェットの上に羽織るだけで、知的で上品な印象に。

コーチジャケット/ブルゾン
シンプルなデザインのナイロン素材のジャケット。気軽に羽織れて、スポーティーな要素をプラスできます。
マウンテンパーカー/ダウンジャケット
アウトドア由来の機能的なアウターも、街着として取り入れられます。
派手すぎない色を選び、全体をシンプルにまとめるとシティボーイらしい着こなしになります。

ステンカラーコート/バルマカーンコート
秋や春先に活躍する、上品でクラシックなコート。カジュアルな着こなしの上に羽織るだけで、大人っぽく見せることができます。
【4】シューズ
スニーカー
ニューバランス(特に574, 990, 996などのクラシックモデル)、コンバース(オールスター、ジャックパーセル)、VANS(オーセンティック、エラ)、アディダス(サンバ、スタンスミス)、ジャーマントレーナーなどが定番。清潔感のある白やベーシックな色が使いやすいです。
ローファー
コインローファーやタッセルローファー。カジュアルなパンツとも相性が良く、上品さをプラスしてくれます。
革靴/ブーツ
プレーントゥやUチップのシンプルな革靴、チャッカブーツなど。スラックスやチノパンと合わせて、少し大人っぽい雰囲気にしたいときに。
【5】小物
トートバッグ
キャンバス地のシンプルなものが定番。本や雑誌を入れて持ち歩く姿はまさにシティボーイ。
バックパック
レザーやナイロンの、機能的でシンプルなデザインのもの。
キャップ/ニット帽
無地やロゴの控えめな野球帽や浅めのニット帽。着こなしにカジュアルなアクセントを加えます。
メガネ/サングラス
知的な印象をプラスするメガネや、クラシックなデザインのサングラス。
時計
シンプルなデザインの腕時計。高価なものよりも、デザインやストーリーのあるものがシティボーイらしいかもしれません(例:Timex, Casio)。
年代別! シティボーイファッションの取り入れ方
シティボーイファッションは、高校生から30代まで幅広い年代におすすめできます。
年代別に意識したいポイントを見てみましょう。
高校生(〜18歳)
まずは、サイズ感の合ったベーシックなアイテムから揃えるのがおすすめです。
スウェット、パーカー、チノパン、デニム、そして定番スニーカーがあれば、十分にシティボーイらしい雰囲気を出すことができます。
学校に着ていけるアイテムも多いので、普段使いしやすいのが魅力です。
派手なアイテムを避け、清潔感を意識しましょう。カジュアルなアイテムを中心に、明るめの色やストライプ柄など、若々しさを出すのも良いでしょう。

20代(18歳〜29歳)
高校生の頃のベーシックなアイテムに加えて、シャツや軽めのアウター(コーチジャケット、紺ブレなど)を取り入れることで、着こなしの幅が広がります。

友人との遊びやデート、そして少しずつ増えてくるかもしれないオケージョンにも対応できるようになります。
古着を取り入れたり、少し変わったシルエットのパンツに挑戦したりと、自分らしさを表現する遊び心を取り入れるのも楽しい年代です。
靴もスニーカーだけでなく、ローファーや革靴を取り入れることで、大人っぽいシティボーイを目指せます。
30代(30歳〜39歳)
より「質」にこだわりたい年代です。ベーシックなアイテムでも、素材の良さや仕立ての確かさに注目して選ぶと、着こなし全体の説得力が増します。
サイズ感はリラックス感を保ちつつも、だらしなく見えない絶妙なバランスが重要。

ジャケットスタイルにスニーカーを合わせるなど、カジュアルダウンのテクニックを磨くのも良いでしょう。
小物も上質なものを選び、全体の着こなしを格上げすることを意識してみてください。
落ち着いた色合いを中心に、大人のシティボーイならではの落ち着きと知性を表現しましょう。
シティボーイファッションを着こなすための3つのコツ
最後に、シティボーイファッションをより魅力的に見せるためのコツを3つご紹介します。
サイズ感をマスターする
シティボーイファッションにおいて、サイズ感は最も重要な要素と言っても過言ではありません。
全体的にややゆったりとしたシルエットが基本ですが、ただ大きいだけではだらしなく見えてしまいます。
肩の位置、パンツの丈、身幅などを鏡でしっかり確認し、体型に合った「リラックス感のあるサイズ」を見つけることが大切です。
試着を怠らないようにしましょう。
レイヤードを楽しむ
シャツの上にスウェット、Tシャツの上にシャツを羽織り、その上にジャケットやコートを重ねるなど、様々なアイテムの組み合わせを楽しむのがシティボーイファッションの醍醐味の一つです。
レイヤードすることで着こなしに奥行きが生まれ、温度調整も可能になります。
色の組み合わせや素材の合わせ方で、自分らしい個性を出すことができます。
清潔感を保つ
どんなにおしゃれな服を着ていても、清潔感がなければ台無しです。
シワのないシャツ、汚れのないスニーカー、手入れの行き届いた靴、毛玉のないニットなど、日頃から丁寧に服をケアすることを心がけましょう。
髪型や髭、爪などの身だしなみも整えることで、よりシティボーイらしい知的でクリーンな印象を与えることができます。
まとめ:シティボーイファッションは「心地よいライフスタイル」
シティボーイファッションとは、流行を追いかけることではなく、自分にとって心地よい服を選び、知的で文化的な生活を楽しむ姿勢そのものが表れたスタイルです。
リラックス感がありながらもクリーンで、ベーシックながらも洗練されている。
それは、まさに現代の都会を生きる男性にとって、最も魅力的でリアルなファッションの一つと言えるでしょう。
このスタイルは、高価なブランド品を揃える必要はありません。むしろ、定番のアイテムを大切にし、サイズ感や素材にこだわり、自分らしい着こなしを見つけることが重要です。
この記事を参考に、ぜひあなたも肩肘張らない、知的で心地よいシティボーイファッションに挑戦してみてください。きっと、毎日の服選びがもっと楽しくなるはずです。